陸上スポーツ障害

当院は陸上スポーツ障害の治療を大変得意としています!!

陸上競技障害の治療を得意としている3つの理由

1.1日に何百人と来院される大変有名な整形外科で勤務し、スポーツ障害の症例を数多く経験した実績

私は修業時代に大阪でも大変有名な整形外科で勤務し、スポーツ障害の症例を数多く診させていただきました。
これだけの症例数を経験している柔道整復師はなかなかいないと思います。この経験をもとに、症状を正確に見極め、適切な治療を行い、早期のスポーツ復帰を実現しています。

2.近隣の陸上強豪高校で長年にわたりトレーナー活動を行っている実績

学校での練習や、大会(京都・近畿・全国インターハイ、京都・近畿ユース、記録会 等)のトレーナーとしての帯同を長年にわたり行っています。
陸上競技特有の練習や、障害の出やすい動きの特徴も把握しており、またそれぞれの種目の競技特性も理解しているので、よりその種目にあった治療法や予防法をご提案できます。

3.多彩な手技を取り入れているので、種々の陸上スポーツ障害に対応している実績

トリガーポイントマッサージ、トリガーポイント鍼灸治療、背骨・骨盤矯正、過労性構造体治療、DYMOCOインソール、キネシオテーピング、モーションパルペーション、モビリゼーション等、多彩な手技を用いた治療を行っていますので、さまざまな陸上競技障害に対応しています。

当院が陸上競技の治療にこだわる1つの理由

当院がトレーナーを行っている陸上部は、朝早くから、夜遅くまで練習を行っています。
中には5、6時間しか睡眠がとれていない学生さんもおられます。当たり前ですが、授業中はしっかりと勉学に励んでいます。

このように、試合で良い結果を出すために、朝早くから夜遅くまで必死に練習をしている学生さんが、痛みのために満足な練習が出来ない、試合で良い結果が出せないということを、治療をしているとまのあたりにする場面があります。

当院では、このような選手の痛みを改善することで、「患者様の夢の実現を応援したい」と本気で考えています。
また、今まで大会に帯同して全国大会等で活躍した選手に多くの感動をいただきました。その恩返しの為にも、当院では陸上競技の治療に徹底的にこだわっています。

陸上競技の障害でお困りの方は、是非当院までご相談ください。

当院の陸上競技障害の治療の考え方

起こっている症状には必ず原因があり、その原因に対する治療を行う事が根本的な治療になると考えています。

1.シンスプリント

シンスプリントとは、脛骨(むこうずねの骨)の過労性骨膜炎といわれる疾患です。
過労性とはいわゆる使いすぎのことで、脛骨に筋肉が付着する部分で繰り返し引っ張られ、骨膜に炎症を起こし痛みが生じます。
走行動作の多い陸上競技では、大変よくみられます。

痛みの場所

下腿の内側の下3分の1くらいの所に、5~10cmの範囲で痛みが見られます。

症状

その程度により症状はさまざまです。
軽症例:運動開始直後の痛み・運動中は疼痛消失
中症例:運動中の痛み・運動後安静により疼痛消失
重症例:運動中のみならず、安静時にも疼痛出現

発症年齢

スポーツを行っている方は全ての年齢で発症する可能性はありますが、特に16歳位に多く発症すると言われています。
その理由としては、高校生になり練習が激しくなることが関係しています。

シンスプリントの原因となる筋肉

長指屈筋 長母指屈筋 後脛骨筋 前脛骨筋 ひらめ筋
これらの筋肉は下腿から始まっていて、足首や足趾を動かす作用があります。
走行動作などによってこれらの筋肉を集中して使うと、脛骨に疲労が蓄積します。

原因

1.下腿筋のトリガーポイント
2.足部の形態異常(偏平足・ハイアーチ・回内足・回外足 etc.)
3.体の歪み
4.筋の柔軟性の低下
5.筋力不足
6.足に合っていない靴の使用

当院の治療

当院では、シンスプリントの原因筋に対してトリガーポイントマッサージ・トリガーポイント鍼治療を行います。
ほとんどの方は、この治療により痛みは軽減いたします。
その後、スポーツ復帰をして再発する方は、患部に負担が蓄積する原因があると考えられますので、以下の治療を追加して行っていきます。

足部の形態異常に関してはフットプリント(足の型)を撮って、足部の形状を確認します。
足の形態を確認後、異常がある場合はインソールを処方し、根本的に原因となる筋に負担がかからないように治療を行っていきます。
体の歪みからの影響で疲労が蓄積している場合には、矯正治療を行い体の歪みの改善を行います。

筋肉の柔軟性が無い場合には原因筋のストレッチを、筋力が弱い場合には筋トレを行います。
また同時に、indepth(筋トレマシーン)を使ってインナーマッスルの強化を行う場合もございます
靴の影響がある場合には、足サイズ(足長・足幅・足囲)を測定し、足に合った靴の提案・靴の選び方の説明・靴の履き方の指導等を行います。

治療期間

症状の程度にもよりますが、ほとんどの方は1~2ヶ月程度でスポーツ復帰が可能です。

2.疲労骨折

疲労骨折

疲労骨折は全身の骨に起こる可能性がありますが、圧倒的に下腿に多く発症します。
発症の多い骨は脛骨→中足骨→腓骨→舟状骨→踵骨→大腿骨の順で多いとされています。

脛骨に疲労骨折が起こりやすい理由

これは脛骨を前から見た図ですが、左右に緩やかに弯曲しているのがお分かりいただけると思います。

これは脛骨を横から見た図です。
前方に向かって弯曲しているのがお分かりいただけると思います。

このような形態的特徴があるため、スポーツによるストレスが脛骨に集中してかかってしまいます。
ここではシンスプリントと鑑別が必要な脛骨の疲労骨折の解説をします。

脛骨疲労骨折

脛骨の疲労骨折は疾走型と跳躍型に分類されます。

痛みの場所

赤丸の部分に痛みが出るものは疾走型、緑丸の部分に痛みが出るものを跳躍型の疲労骨折といいます。
特にシンスプリントと鑑別が必要になってくるのは、同じような場所に痛みが出る疾走型の疲労骨折です。

症状

突然痛みが発症し運動の継続が困難になり、歩行時にも痛みがある場合が多く、患部は少し腫れ痛みが限局している場合が多いです。
数日のスポーツ中止にて痛みは消失しますが、また運動を行うことで痛みが再発する場合が多いです。

シンスプリントと疾走型疲労骨折の鑑別ポイント

1.限局した圧痛
2.疼痛の遷延
3.急激な発症
上記の3点に当てはまる方は疲労骨折を疑います。

発症年齢

全年代に発症する可能性はありますが、15~17歳の発症が最も多いとされています。
この年代は練習量が多くなり、トップレベルの運動を行うためです。
しかし最近ではマラソンブームもあり、青壮年の発症も増加しています。

疲労骨折の原因

1.オーバーユース(使いすぎ)
2.足部の形態異常
3.筋肉の柔軟性不足
4.筋力低下

当院での治療

疲労骨折が疑われる方に関しては、まずスポーツの中止を指示いたします。(疲労骨折は安静にしていれば治癒するものがほとんどです。)
その後、早期復帰に向け症状の原因に対する治療を行っていきます。
足部の形態異常に対してはフットプリントを撮り、異常がある場合はインソールを処方します。
下腿の柔軟性不足に対してはマッサージ・ストレッチを、筋力不足には患部以外の筋トレ(タイルギャザー etc.)を行います。
この時期の筋トレはIndepth(筋トレマシーン)を使うと関節の動きを伴わないので大変有効です。

治療期間

疾走型疲労骨折は運動中止により2ヶ月程度でスポーツに復帰出来る場合がほとんどです。
跳躍型疲労骨折は症状が遷延しやすくスポーツ復帰に長期間を要する場合が多いです。

病院受診について

当院では、疾走型の疲労骨折が疑われた場合は、発症から2週間程度経過してもなお痛みが引かない方に関して、提携先の病院を受診していただきます。
なぜ、発症早期に病院を受診していただかないかというと、疲労骨折は早期にはレントゲン上異常が現れない場合が大半であるためです。
病院でも症状から疲労骨折の疑いと診断され、安静を指示され痛みが引かない場合は再度受診するよう言われる場合が多いです。
しかし、大きな大会前や跳躍型疲労骨折が疑われる場合などは、発症早期でも病院を受診していただく事をお勧めしております。
その理由としては、病院でMRIを撮ってもらうと早期の疲労骨折も診断可能で、大会に出場できるかの判断材料になるためです。
また、跳躍型の疲労骨折の場合は疼痛が遷延しやすく、早期の治療が大切で症状が強い場合にはギプスによる治療を行うこともあり、早期に疲労骨折であるかを判断する必要があるためです。

シンスプリントだと思っていたがなかなか痛みがとれない場合は、疲労骨折が起こっていることがあります。
このような時は無理して練習を続けずに、お早めに医療機関を受診される事をお勧めいたします。

3.オスグッドシュラッター病

オスグッドシュラッター病はいわゆる成長痛と言われる疾患です。
脛骨粗面という膝蓋靭帯(大腿四頭筋)の付着部には、骨が成長するために必要な成長軟骨が存在し、大人の骨と違い強度が弱いため、筋肉による繰り返しの牽引で引きはがされてしまい痛みが発症します。


青丸の部分が脛骨粗面と言われる部分で、成長軟骨が存在します。膝の屈伸で脛骨粗面に負担がかかります。

痛みの場所


赤丸の部分に痛みが出ます

症状

しゃがみ込む動作や正座など、膝を深く曲げた時に痛みが出る場合や、ボールを蹴った時など膝を伸ばすように力を入れた場合に痛みが生じます。


上記の図の様に、膝を深く曲げると痛みの為にお尻が浮き上がるのが特徴です。

発症年齢

男子は10~14歳に多く、女子は8~12歳代に多く発症します。


この図は脛骨粗面の発育過程を示したものです。
ここからも分かるように成長途中である10~15歳に症状が出やすく、成長が完了した18歳を過ぎて痛みを訴える方はほとんどおられません。

痛みの原因

1.膝蓋靭帯のトリガーポイント
2.大腿四頭筋の柔軟性不足
3.大腿四頭筋の筋力不足
4.足の形態異常
5.体の歪み
6.オーバーユース(使いすぎ)

当院での治療

当院では、大腿四頭筋と膝蓋靭帯のトリガーポイントに対して、トリガーポイントマッサージ・トリガーポイント鍼治療を行います。
この治療により、ほとんどの方の痛みは軽減いたします。
その後、大腿四頭筋のストレッチを行います。このストレッチは、脛骨粗面部に筋肉の牽引力が加わらないように行うことがポイントです。
また、筋力不足の方には患部の痛みがでないような筋トレを行います。

足の形態異常が原因で、膝に痛みが出ている方にはインソールを処方します。
足の形態異常でなぜ膝に痛みが出るかというと、体には運動連鎖というものがあり、例えば偏平足の場合は膝が内側に入りやすくこれが負担となり、膝の痛みの発症となります。
また、痛みがなかなか引かない方には、サポーター(オスグッドバンド)を処方します。

オスグッドの方の四頭筋のストレッチ方法


横向きに寝て、健側(痛みの無い側)の膝を手で固定します。患側(痛みがある側)の足を手で持ちます。
この時に膝を深く曲げておいて、そこから太ももを後ろに引いて、大腿前面のストレッチを行います。
この方法では脛骨粗面にあまり牽引力がかからずオスグッドの方には最適です。

豆知識! 知っていましたか?

子供はどんどんと背が高くなっていきますが、これは骨の成長軟骨という部分が伸びる事で起こります。
筋肉は成長に伴って長くなっていくわけではないため、骨が長くなった分、相対的に筋肉の柔軟性が無くなってしまいます。

4.有痛性三角骨障害

有痛性三角骨障害とは、距骨の外側結節といわれる部分が脛骨と踵骨に挟まれて、炎症を起こし痛みが生じる疾患です。

赤矢印の部分で挟まれます。

三角骨とは

三角骨は距骨の後外側にある小さな骨です。
8~12歳頃に距骨の後方に骨が出てきますが、その部分が何らかの原因でうまく距骨本体とくっつかずに、小さい骨として残ってしまったものが三角骨です。
10人に1人の割合で存在していますが、ほとんどの方は無症状です。

痛みの場所

赤丸の部分に痛みが出ます。

症状

足を底屈(下に向けた)した時に、足の後方部分に痛みが出ることが特徴的です。
日常の歩行では痛みは出にくく、つま先立ちをするなど足を下に向けた時に痛みを生じます。
陸上競技では、跳躍の時の踏切で痛みが出ることが多いです。

原因

アキレス腱踵骨付着部、アキレス腱周囲のトリガーポイント
筋肉の柔軟性不足
足関節の不安定性
底屈動作の繰り返し

当院の治療

アキレス腱踵骨付着部や、その周囲のトリガーポイントに対して治療を行います。
その後、柔軟性不足に対して下腿後面のストレッチを行います。足関節の不安定性がある方に対しては動きを制動するテーピングや、底屈制限テーピングを行います。

治療期間

1~3ヶ月の治療でスポーツに復帰出来る場合がほとんどです。
当院での治療でほとんどの方の痛みは改善しますが、痛みの改善が見られない場合は、手術も考慮して足専門の整形外科をご紹介させていただきます。

5.腸脛靭帯炎

腸脛靭帯という太ももの外側にある靭帯は、膝の曲げ伸ばしの際に、膝の外側上顆という骨の出っ張りに擦れる構造となっています。
膝の曲げ伸ばしを頻繁に行う長距離走などを行うと、擦れている部分で炎症を起こし痛みが発症します。


赤矢印の部分でこすれます。

痛みの場所


赤丸の部分に痛みが出ます。

症状

歩行時や走行時に痛みを感じる場合が多く、膝の曲げ伸ばしで外側に痛みが出ます。
陸上競技では長距離選手によく発症します。

原因

腸脛靭帯のトリガーポイント
腸脛靭帯・大臀筋の柔軟性不足
足部の形態異常
体の歪み
筋力不足
オーバーユース

当院の治療

腸脛靭帯、膝周囲のトリガーポイントに対してトリガーポイントマッサージ、トリガーポイント鍼治療を行います。その後、腸脛靭帯と大臀筋のストレッチを行います。
この治療でほぼ痛みは消失します。

スポーツ復帰をして痛みが再発する方は、患部に負担が蓄積する原因があると考えられるので、以下の治療を追加して行っていきます。
足の形態異常に関しては、フットプリントを撮り足の形態を確認後、異常がある場合には、インソールを処方いたします

下の図のように、足部が回外傾向(外側に傾いている、外側荷重になっている)がある場合には、膝が外旋(外側に回旋)しやすく、腸脛靭帯炎の痛みが発症しやすい傾向があります。
体の歪みは矯正の治療を行います。
また、筋力不足がある方には筋トレを行います。

回外傾向がある足

腸脛靭帯のストレッチ

治療期間

当院ではほとんどの方が、3週間以内にスポーツ復帰をされています。

6.アキレス腱炎

アキレス腱炎は、運動などの負担が蓄積することで、アキレス腱に炎症を起こし痛みが生じる疾患です。

痛みの場所

症状

歩行時や走行時、つま先立ちをした時にアキレス腱部に痛みが出ます。
症状の程度によって、走行時のみ痛みを感じるものから、安静時にも痛みを感じるものまで様々です。
陸上競技では、トラック競技全般によく発症します。

原因

アキレス腱・アキレス腱踵骨付着部・腓腹筋・ひらめ筋のトリガーポイント
足の形態異常
腓腹筋・ひらめ筋の柔軟性不足
筋力不足
オーバーユース

当院の治療

アキレス腱、腓腹筋、ひらめ筋にトリガーポイント治療を行います。これでほぼ痛みは消失します。
スポーツ復帰をして痛みが再発する方には、足部の形態異常を確認して、異常がある方には、インソールを処方いたします。
アキレス腱炎の方は足の形態異常がある場合が多く、回内足・回外足等の異常が見られる場合が多いです。
オーバーユースによって腓腹筋やひらめ筋が硬くなっている場合が多いので、ストレッチを行います。

回内足

回外足

7.足底腱膜炎

足底腱膜炎とは、オーバーユースなどによって足裏の足底腱膜に炎症が起こり痛みが発症します。

痛みの場所

症状

起床時や長時間座っていて、立ち上がった時の1歩目に踵や足裏が痛いのが特徴的です。
陸上競技では、長距離選手によく発症します。

原因

足底腱膜、足底方形筋のトリガーポイント
足部の形態異常
オーバーユース
下腿筋の柔軟性不足
足に合っていない靴の着用

当院での治療

足底腱膜、足底方形筋のトリガーポイントマッサージ、トリガーポイント鍼治療を行います。
足底腱膜炎は下腿三頭筋の柔軟性不足と大変関係が強く、治療を行ううえでストレッチは必須です。
足部の形態異常がある方に対してはインソールを処方いたします。
また、テーピングを併用する事が大変有効で、ほとんどの方がトリガーポイント治療とテーピングを行うことで、痛みが消失します。

足底腱膜のストレッチ方法

腓腹筋のストレッチ方法

8.肉離れ

スポーツ中の急なダッシュや切り替えし動作、またジャンプの着地など強い負荷が加わった際に発症する筋肉の損傷のことを言います。

痛みの部位

ハムストリングス

大腿四頭筋

下腿三頭筋

好発部位

肉離れは下腿の筋肉に発症することが大半で、ハムストリングスが最も多く、次いで大腿四頭筋、下腿三頭筋の順に発症しやすいといわれています。

発生機序

肉離れは筋肉の遠心性収縮という、筋肉が収縮しながら伸ばされるような動作の時によく起こります。
右の図のように、陸上競技では走行中に足を前に出すとき、膝を曲げて足を引き付ける動作を意識することが多いと思います。
この時は、ハムストリングスに力をいれることで足を引き付けることが出来るのですが、この動作と同時に足を前に出すのでハムストリングスには引き延ばされる力が働きます。
このような動作が遠心性収縮といわれるもので、肉離れの原因となります。

症状

肉離れは症状の程度により3種類に分類されます。
Ⅰ度(軽傷) :筋線維の部分損傷(筋線維が引き伸ばされた程度のもの)
       局所に圧痛は認められるが、筋の強度は正常
Ⅱ度(中等症):筋膜の部分断裂、または筋線維の部分断裂
       局所の圧痛、運動痛
Ⅲ度(重症) :筋膜の完全断裂、または筋肉の部分断裂
       圧痛著名、局所の陥凹、運動痛著名(歩行困難)、皮下出血、腫脹 

この図の示すように、筋肉は筋線維というものが集まり出来ています。

損傷程度

原因

筋力のアンバランス(左右差・前後差)
筋疲労
ランニングフォームの不良
筋の柔軟性の低下(ストレッチ不足)
筋力・筋持久力の低下
ウォーミングアップ不足
足の形態異常

治療

まずはRICE処置を1~3日間行います。RICEとは、REST(安静)・ICE(冷却)・COMPRESSON(圧迫)・ELEVATION(拳上)の事で、炎症を最小限に抑えることが出来ます。
この処置を出来るだけ早く確実に行うことが、早期のスポーツ復帰には大切です。また筋肉の損傷程度を正確に把握することが大変重要になり、この損傷程度によって治療期間や治療法が異なってきます。

損傷程度による治療法の違い

Ⅰ度:RICEを48時間を目安に行います。その後、患部のトリガーポイントマッサージやトリガーポイント鍼治療を行っていきます。
Ⅱ度:RICEを72時間を目安に行います。この時にキネシオテープを貼ることは大変効果的で、内出血を早く引かすことが出来ます。その後、患部周囲のトリガーポイント鍼治療を中心に行って行きます。
Ⅲ度:RICEを72時間を目安に行います。痛みの程度によってはシーネ固定やギプス固定を行うこともあります。また、筋肉の完全断裂が疑われる方に対しては、手術も考慮して提携先の病院をご紹介いたします。

炎症が引いた時点で温熱療法を行い、血行の改善を図ります。
その後筋肉の柔軟性不足がある方にはストレッチを、筋肉のバランスが悪い方には、筋トレを行います。足の形態異常がある方にはインソールを処方いたします。

治療期間(スポーツ復帰の目安)

Ⅰ度損傷(軽傷) :2~3週
Ⅱ度損傷(中等症):4~6週
Ⅲ度損傷(重症) :4週間以上
スポーツ復帰の目安は、ストレッチをした時の痛みが消失する事が最低条件といえます。
再発予防の観点からは、筋バランスの改善・筋持久力の改善・ランニングフォームの改善が必要となります。

9.腰椎分離症

腰椎分離症とは、思春期に起こる腰椎の疲労骨折のことで、特にスポーツ選手に多く発症します。

青丸の部分に疲労骨折が起こっています。

痛みの場所

赤丸の部分に痛みが発症します。
腰であればどこにでも痛みが発症するわけではなく、腰椎の下部に多く発症します。
腰椎の5番目、4番目、3番目の順に好発します。

症状

腰をそらした時の痛みが特徴的です。また、腰椎の棘突起(中心の骨)を押さえた時に痛みが出る場合が多いです。

好発年齢

13~17歳に発症する事が多く、16歳が最も多いとされています。

原因

オーバーユース
股関節周囲筋の柔軟性不足
そり腰
筋力不足

当院の治療

腰椎分離症の治療は、分離部(疲労骨折部)の癒合を目指す治療と、癒合は目指さず痛みを取る治療に大別出来ます。

分離部の癒合を目指す治療
分離部は疲労骨折を起こしているので、疲労骨折が発症して2ヶ月以内なら癒合する可能性があります。
この場合は提携先の病院でレントゲンやMRI、CTを撮影してもらい、癒合可能か判断していただきます。
癒合可能となれば、スポーツを完全に中止し(体育も中止)6週間~3ヵ月くらいを目安に硬性コルセットにて固定を行います。
硬性コルセットを装着中の治療は、筋肉の張りを改善する目的として、トリガーポイントマッサージを行います。
この時に伏臥位(下向けに寝た状態)でのマッサージは分離部に負担が掛かるため、側臥位(横向き)で行います。
その後、患部に負担のかからないストレッチや筋トレを徐々に行っていきます。

分離部の癒合を目指さない治療
分離部の骨癒合が期待出来ない例は、発症後3ヶ月以上経過していて、患部に骨折治癒機転が働かなくなった方です。
また、大きな大会前・最後の大会前等で運動の中止が出来ない方は痛みを取る治療を行います。
これらの方は軟性コルセットを装着した状態で、腰を反らす動作は極力控えながら、スポーツも可能です。
治療はトリガーポイントマッサージやトリガーポイント鍼治療を行い、筋肉性の痛みの改善を図ります。
そして、患部にかかる負担を改善する目的として、腸腰筋や大殿筋、中殿筋のストレッチを行います。腹筋や背筋の筋トレも同時に行っていきます。

硬性コルセット

軟性コルセット

分離部が癒合しなかった場合の予後

分離部の癒合が得られなかった場合は、将来分離すべり症に進行する可能性があります。
すべり症は腰痛や足のしびれの原因となる場合がある疾患です。
ですので、当院では分離部が癒合可能な場合は、できる限り骨癒合を目指すべきと考えています。
しかし、必ずすべり症に進行するということではありません。一流のプロスポーツ選手でも、分離症の方はおられますし、全く症状も無くプレーされている方も多くおられます。


左の正常な腰椎と比べて、右の赤矢印の部分が前方にすべっています。